知らないことを知るために② 人生はずっと勉強
前回の人はなぜ勉強するのか?(7)では、「知らないことを知るために人は勉強する」というお話をしました。そのために私は生徒にわからないことは何でも質問するように伝えています。それは生徒本人のためだけではなく、私自身のためでもあります。知らないことを知りたいからです。
私は自分が知らないことがまだまだ多くあると知っています。
新聞やネットで様々な情報を集めている時や本を読んでいる時、わからない言葉や読めない漢字が出てきます。
私はいつも手元に辞書を用意していて、わからない言葉があるとすぐ調べます。
知らないことを恥ずかしいとは思いません。知らないことを知らないままにすることを恥ずかしいことだと思っています。
だから、私はよく生徒に「どの生徒よりも私の方が辞書をたくさん引いている」と言います。断言できます。負けません。
漢字でも英単語でも言葉の意味でも、学校で習うことならば、どの分野のどんな知識でも自分の生徒に負けるつもりはありません。それでも、「どの生徒よりもたくさん辞書を引いている」という点でも負けません。
英単語一つとっても、その意味を調べるだけではなく、発音やアクセントを確認したり、例文をみてどのように使われているか学んだりします。自分の知っている単語でも、知らない別の意味がないか気付いていない熟語や慣用表現がないか調べることもあります。
最近では、若者言葉やネット用語など最新過ぎて辞書には載っていない言葉も多くなってきました。仕事柄、若い生徒と接しているので、若者が使うような言葉を知っていないと会話にならないこともあります。
そんな時は、生徒に聞いたり、ネットで調べたりします。
新しいものがこの世に生まれれば、新しい言葉ができます。
言葉はどんどん変化します。省略されて短くなったり、いくつかの言葉が合わさって変化したりします。
こう考えていくと、どんどん新しい言葉が出てくれば、学ばなければならないことも増えることになります。
そういう意味では、「人生はずっと勉強が続く」という言い方ができます。だから、「人はなぜ勉強するのか?」という問いには、「人は生涯知らないことを学び続けるべき存在だから」というのも答えの一つでしょう。