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人はなぜ勉強するのか? (14)

 

希望の進路に進むために②  親発信ではダメ


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前回の人はなぜ勉強するのか?(13)では、「希望の進路・就職を達成するため、夢を叶えるため」に勉強を続ける生徒がいるというお話をしました。

 

これは、ある意味では非常に怖い答えです。

 

というのも、前回の話では、「人はなぜ勉強するのか?」という問いに対して、あくまでも生徒からの答えとして「希望の進路に進むため」に勉強するというものだったからです。

 

これを第三者、特に保護者の側から「良い学校、良い会社に就職するために勉強しなさい」と言うと、話が違ってきます。

 

子どもたちは反発して、「意味がわからない」とか「納得いかない」とか言い始めるでしょう。

 

子どもたちが、夢を持ち、希望を持って、「こういうことをしたい」とか「あんな職業に就きたい」とか考えて、そのために何が必要で、何を勉強しなければならないか納得した上で、自ら「希望の進路に進むため」に勉強するとなれば全く問題ありません。

 

そうではなく、上から「偏差値の高い学校に入れば、良い暮らしができるぞ」なんて言ったら、子どもたちはまず間違いなく勉強なんてしません。

 

ましてや、ことわざなんて持ち出して、「『駕籠(かご)に乗る人担(かつ)ぐ人、そのまた草鞋(わらじ)を作る人』のどれになりたいんだ?」なんて言ったら最悪です。

 

そのことわざは、「いろんな人がいる中で駕籠に乗るような偉い人になれ」なんて意味ではないですから。「人の生き方はさまざまで、いろんな人がいて世の中が成り立っている」という意味ですからね。

 

子どもたちには、しっかり勉強して、そんな間違った使い方している大人がいたら、堂々と

 

「私は日本一の駕籠を担ぐ人になる」

 

とか

 

       「僕は世界一の草鞋を作ってみせる」

 

とか言ってやりましょう。

 

そのとき、本当に人がなぜ勉強するのかわかるのではないでしょうか。

 

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