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人はなぜ勉強するのか? (10)

 

英語がわかると楽しみ倍増 ウォーキングデッド編①

 

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前回の人はなぜ勉強するのか?(9)では、「知らないことを知ると、どんどん人生が豊かになる」というお話をしました。

 

私はアメリカの大学で教育を受けたので、英語という武器を手に入れました。

 

英語を学んで、海外の映画やドラマを英語で理解できれば、日本語だけで見るより面白みが倍増します。言語が違えば、文化も違います。ですから完璧な翻訳はできません。「何でそう訳したのかな」とか「私ならこう訳す」とか考えるだけでも、とても面白いものです。それこそ人生の豊かさにつながるというお話。

 

私は、アメリカの大人気テレビドラマの『ウォーキング・デッド』が大好きです。元々は、ある生徒が面白いと教えてくれたのですが、一度見てみるとハマってしまい、今では最新作を楽しみに待っています。

 

私のLINEのプロフィール背景は、登場人物の一人であるダリルと共に「If Daryl dies we riot」(もしダリルが死んだら、我々は暴動を起こす)の文字の入った画像を使っています。

 

『ウォーキング・デッド』をご存知ない方に簡単に説明しますと、ゾンビものです。

 

そう聞くと、気持ち悪いとか怖いのは苦手とか思う人がいると思いますが、ゾンビがいる世界がドラマの設定なだけで、完全に人間ドラマです。見てみるとわかりますが、ゾンビなんかより、生きている人間の方がよっぽど怖いです。そして、そのことがドラマに深みを与えています。

 

ゾンビ、ゾンビと言っていますが、実はドラマの中で「ゾンビ」という言葉は使われていません(日本語訳では使われているようですが、英語のせりふでは使われていません)。

 

walker(ウォーカー)」(歩く人)だったり、「roamer(ローマー)」(徘徊する人)だったりと様々な名称で呼ばれています。「walk」が「歩く」、「roam」が「徘徊する、ぶらつく」という意味です。「人」を表す「er」を語尾つけているので、「teach」(教える)と「teacher」(教える人、先生)の関係と同じですね。

 

ここからが面白いところですが、このゾンビが徘徊する世の中で生きている人間はグループを作って、自分たちの身を守ろうとしますが、そのグループ同士が対立したり、協力し合ったりしていきます。

 

あるグループが、そのゾンビのことを「walker(ウォーカー)」(歩く人)と呼んでいたとしましょう。別のグループは、「biter(バイター)」(噛みつく人)と呼んでいたとしましょう。「biter」と呼んでいたグループのメンバーが「walker」と呼ぶグループに入ったとき、その呼び方も「walker」に統一されます。

 

私は、ここで言語の成り立ちを考えるのです。おそらく、言語を話し始めた時の私たちの祖先もそうだったのではないだろうかと。

 

少数のグループの中だけで成り立つ会話が、グループ同士の交流を経て、少しずつ言葉が統一されていって、言語が成立していった過程を忠実にドラマの中で再現されていると思うと制作陣のレベルの高さを感じます。

 

まだ言いたいことはあるのですが、長くなってしまったので、次回も『ウォーキング・デッド』のお話を。


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