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人はなぜ勉強するのか?(38)


人種差別問題① キング牧師の演説


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前回の人はなぜ勉強するのか?(37)では、アメリカのメジャーリーグが、2リーグ制になって以降初めてのアフリカ系アメリカ人選手であるジャッキー・ロビンソンと彼のメジャーデビューの後押しをしたブルックリン・ドジャース監督のレオ・ドローチャーのお話をしました。そして、レオ・ドローチャーのお孫さんのダンは私のアメリカの大学時代のルームメイトの一人だというお話をしました。

 

よくよく読んでみると、人はなぜ勉強するのか?というテーマに沿っていないように思えます。しかし、昨今のアメリカでの人種にまつわる事件や問題、BLMBlack Lives Matter)運動などは私たち日本人には関係のないこととは言えません。

 

日本にもたくさんの人種が住んでいますし、旅行で日本に訪れる外国人も多いです。ヘイトスピーチなど日本でも差別問題は大きな問題となっています。

 

様々な問題を正しく認識するためには、しっかり勉強しなければなりません。

 

ジャッキー・ロビンソンが人種の壁を打ち破ってから75年、マーチン・ルーサー・キング牧師が有名な「I Have a Dream(私には夢がある)」の演説を行ってから57年です。

 

1963年8月28日、アメリカの首都ワシントンD.C.での「I Have a Dream(私には夢がある)」の演説の一部を紹介します。

 

I have a dream that one day this nation will rise up and live out the true meaning of its creed: "We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal." 私には夢がある。それは、いつの日か、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等に作られているということは、自明の真実であると考える」というこの国の信条の真の意味を実現させるという夢である。)

 

I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and the sons of former slave owners will be able to sit down together at the table of brotherhood. (私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージアの赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。)

 

I have a dream that one day even the state of Mississippi, a state sweltering with the heat of injustice, sweltering with the heat of oppression, will be transformed into an oasis of freedom and justice.(私には夢がある。それは、いつの日か、不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりのミシシッピ州でさえ、自由と正義のオアシスに変わるという夢である。)

 

I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.(私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の小さい子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。)

 

これはキング牧師の演説のほんの一部です。内容だけでなく、その演説の仕方なども含めて後世に残る演説として有名です。アメリカの大学のスピーチの授業では必ず取り上げられる名演説です。

 

しかし、57年経った今でもキング牧師が夢見た世界は実現できていないようです。(つづく)



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