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人はなぜ勉強するのか?(47)

 

仮面ライダーにみるジェンダー問題


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前回の人はなぜ勉強するのか?(46)では、戦隊ヒーローを通して世の中の様々な問題、アファーマティブ・アクション(ポジティブ・アクション)とジェンダーについて考えてみました。

 

子どもが対象の番組であっても、子どもには子どもの見方、大人には大人の見方があるというお話をしました。

 

今回は仮面ライダーです。

 

私は戦隊ヒーロー同様、仮面ライダーも研究しています。

 

仮面ライダーは、戦隊ヒーローに比べて話が複雑で、しかも怪人がグロテスクなので、少し年齢が上の子どもを対象にしているように思います。

 

勧善懲悪の戦隊ヒーローに比べて、仮面ライダーは善と悪が表裏一体で、現代社会を反映しているという点で興味深い研究対象です(ただし、最近の戦隊ヒーローも複雑になってきて仮面ライダー化が進んできていると考えています)

 

そもそも最初の仮面ライダーは、悪の秘密結社ショッカーによって改造された改造人間です。元々はショッカーの世界征服に利用される悪い存在だったのです。しかし、主人公の本郷猛は脳改造される直前に助けられて脱出し、ショッカーと対峙していくのです。

 

つまり、最初の段階で悪から正義へ変わっていくというラインが出来上がっているのです。

 

これ以降の仮面ライダーにも、最初は悪くて後に正義に変わっていくというライダーが出てきます。これが物語を奥深いものにしていきます。

 

仮面ライダーは、若手俳優の登竜門としても注目されています。今をときめく俳優の佐藤健、菅田将暉、福士蒼汰、吉沢亮、竹内涼真などは皆、仮面ライダー出身です。

 

今回は、前回の人はなぜ勉強するのか?(46)でお話ししたジェンダーの観点から仮面ライダーを見てみましょう。

 

仮面ライダーも戦隊ヒーロー同様、「男の子が見るべきもの」「主人公の仮面ライダーは男性であるべき」というジェンダー問題に発展しやすいように思います。

 

それでも、数は少ないながら女性の仮面ライダーは存在します。

 

そしてアファーマティブ・アクション(ポジティブ・アクション)とジェンダーという観点から、令和最初の仮面ライダーである『仮面ライダーゼロワン』では、画期的な出来事がありました。

 

仮面ライダーシリーズでは初となる、番組開始時から登場する女性仮面ライダーが誕生したのです。仮面ライダーバルキリーといいます。

 

Wikipediaによると、プロデューサーと脚本家の対談の中で女性仮面ライダーであるバルキリーを

『本作品が職業を扱う上で、男女平等であるとすれば、職業としての仮面ライダーにも男女ともにチャンスがあってもよいと考え、仮面ライダーが好きな女性がかっこいい女性として憧れる存在として描いている。』(出典:東映ヒーローMAX Vol.60 P.25-28 )


とあります。(私個人としては出典の確認はしていません。すみません。)

今回の画期的な出来事は、まさに制作陣がジェンダーに配慮した結果なのです。

いつの日か、戦隊ヒーローのレッド同様、主人公の仮面ライダー(1号ライダー)が女性になる日が来ると良いなと思います。


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