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人はなぜ勉強するのか?(82)

 



  「楽しむ」ことは原動力 「知之者不如好之者、好之者不如楽之者」



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前回の人はなぜ勉強するのか?(81)では、予習で疑問点・課題を明確にしてから授業に臨んで、疑問点が解消されなければ先生に質問するべきだというお話をしました。


質問の内容は、予習の段階で考えたことを反映させると良いでしょう。特に数学の場合、答えは一つでも解法は一つとは限りません。自分で考えた解法が正しいかどうか質問して確認すると指導者はやる気を感じるというお話もしました。


そういう生徒だと指導者はあれも教えたい、これも教えたいとなってしまうのですが、一から十まで教えてしまうのは良い指導とは言えません。


前回の人はなぜ勉強するのか?(81)の最後に書いたように「自分で気づいた方が100倍楽しい」こともあるのです。

何事も「楽しい」というのは、その行動を起こさせる動機付けには最も重要なことです。


『論語』にもこうあります。


知之者不如好之者、好之者不如楽之者


之(これ)を知る者は之(これ)を好む者に如(し)かず。之(これ)を好む者は之(これ)を楽しむ者に如(し)かず


物事を知っている人はそれを好んでいる人には及ばない。物事を好んでいる人は、それを楽しんでいる人には及ばない。


「知っている」人は「好んでいる」人にかなわない、「好んでいる」人は「楽しんでいる」人にはかなわないということです。これは、共感できる人も多いのではないでしょうか。


趣味でもスポーツでも何でもそうですが、楽しんで物事に取り組んでいる人は最強ですよね。どんなに辛いことがあっても、苦しいことがあっても、楽しいから続けられる、続けたいと思えるのですから。


先日、ある生徒と課題を一緒に取り組んでいる時に「先生は楽しそうだ」と言われてはっとしました。


私は確かに面白い課題だと思って楽しんでいましたが、ふつうはそう思わないのかと。


生徒にとっては、期限があってやらなければいけないことだったり、成績がついて何らかの判断がくだされるものだったりするので、楽しむどころではないのかもしれません。


私は、自ら学ぶことを楽しむことで生徒に「勉強は楽しいものだ」と伝えられればと思います。



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