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人はなぜ勉強するのか?(94)

 


 メタ認知の鍛え方②  どのように問題を解いたかを尋ねる



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前回の人はなぜ勉強するのか?(93)では、『論語』の「吾(われ)日に吾身(わがみ)を三省(さんせい)す」を引用して、自分の行動や考えを省みるべきだというお話をしました。


というのも、「反省する」ということと「自分を疑う」ということは同じで、それは「メタ認知」を鍛えることにつながるからです。


最近私は、生徒たちの「メタ認知」を鍛えることが成績アップのカギだと考え、今まで以上にそのことに重点的に取り組むようにしています。(生徒たちは気づいていないでしょうけれども、いつの間にか「メタ認知」が鍛えられていればラッキーでしょう。)


具体的には、授業の中で生徒たちがどのように問題を解いたのかを聞きます。生徒の中の「内なる『自分』」との会話を聞くと言い換えても構いません。


ある問題に正解する生徒は正しい知識、考え方で正解にたどり着いている者もいれば、勘違いしていて間違った知識や考え方を使っていて偶然正解している者もいます。


不正解の場合は、知識が間違っている生徒もいれば、考え方が間違っている生徒もいます。


問題を正解したとき、私はなぜそうなったかを生徒に聞いて、正しい思考経路や知識で正解にたどり着いているか尋ねています。


逆に問題が不正解だったときも、私はなぜその答えにたどり着いたかを聞いて、なぜ間違えたのか理由を探るようにしています。


生徒にとっては、問題に正解しようが、不正解であろうが、どうしてその解答になったのかを私に質問されるわけです。面倒だと思う生徒もいるかもしれません。「正解なんだから良いだろう」とか「答えを間違っているなら正しい答えを教えろ」と思っているかもしれません。


一番大事なことは、今この問題を正解することではなく、次に同様の問題が出された時にできるかどうかなのです。


ポイントは、『同様の』というところです。全く同じ問題であれば、答えや解き方を覚えれば済みます。「知っている」か「知らない」かだけならば、これは「認知(知識)」の問題です。


全く同じ問題ではなく、複合問題だったり、学んだことを使って全く新しい問題に取り組む必要があったりすれば、これは「メタ認知」が必要になってきます。


その時に正しい知識や考え方を使って問題を解けるように、私は何度も何度も生徒に問いかけます。


「どうしてこの答えになった?」



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