復習も大事「学而時習之」
前回の人はなぜ勉強するのか?(76)では、論語の一節から、教えを受ける生徒は事前にしっかり準備することで意欲もみなぎり、教わったことが何倍もの効果を得られるというお話をしました。
簡単に言うと、「予習が大事ですよ。そうすると知りたいことがどんどん浮かんできて、先生の教えを意欲的に受け入れることができるよ。そして、先生に少し教わっただけで、事前の勉強内容と繋がってより多くのことが学べるよ」ということです。
予習も大事だけれども、復習も大事だと論語では言っています。
學而時習之。不亦説乎。
学びて時に之を習う。亦(また)説(よろこ)ばしからずや。
学んだことを、機会あるごとに復習し身につけていく。なんと喜ばしいことか。
漢字源によると、「習」という字は「いくえにも重ねる。広く、なんども重ねて身につける」という意味があるそうです。「習」の漢字の部首である「羽」の部分は、鳥が何度も羽を動かす動作を繰り返すことを示しています。
学んだことを何度も何度も繰り返し復習することで、学んだことが身につくということでしょう。
これは論語の最初の一節です。論語は、先生である孔子に学んだことを弟子たちがまとめたものなので、孔子が学ぶこと、そして復習することがいかに大事か、楽しいことであるかを伝えています。
孔子は紀元前500年頃の中国に生きていた人です。日本では弥生時代が紀元前300年頃からなので、稲作がまだ伝わっていないような時代のお話です。
それから約2500年経った現代でも人々に読み継がれているという事実が、孔子の教えの普遍性を物語っています。
2500年もの間残っている考え方であれば、そこに一定の真理があると考えるのが合理的な判断です。もちろん、この勉強方法が人によって合う、合わないはあるでしょう。だからこそ、まず試してみると良いと思います。
まず、事前に予習してみる。わからないところ、疑問点を明確にして授業に臨むためです。これだけで、授業中の集中力が大きく変わるのは当然でしょう。
授業中に疑問点が解消しない場合は、授業後に先生に質問するのが良いでしょう。
そして、学んだことは何度も復習する。次回は、もっと具体的にお話しします。