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人はなぜ勉強するのか?(4)

 

人にだまされないように①  コインの話

 

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私は「人はなぜ勉強するの?」と尋ねられたら、相手によって答えを変えます。相手が小学生なのに、人はなぜ勉強するのか?(1)でお話ししたような『「勉強した内容」ではなく「勉強の方法」こそ、実際の人生で役に立つ』と言ってもピンと来ないかもしれないからです。

 

相手が小学生の場合は、「人にだまされないようにするためだよ」と答えます。

 

私には小学生の甥っ子が2人います。その甥っ子に勉強の大切さを伝えるためにあえて、簡単なゲームでだましました。

 

中学生で確率を習えば、すぐ気付くはずですが、小学生だと簡単にだまされるゲームです。

 

硬貨を2枚用意します。10円玉でも100円玉でも大丈夫です。この硬貨が、2枚とも表か、2枚とも裏か、1枚が表で1枚が裏かを選ぶものです。

 

私は、1枚が表、1枚が裏を選択します。残りの2つを甥っ子に選ばせます。

 

これで、硬貨2枚を投げて、表2枚が出たら甥っ子の1人が勝ち。裏2枚が出たら別の甥っ子の勝ち。表1枚、裏1枚が出たら私が勝ちという具合です。

 

このゲームを30回ほど続けると、まず間違いなく私が勝ちます。

 

一見すると、2枚とも表か、2枚とも裏か、1枚が表で1枚が裏の3通りなので、確率もすべてて1/3だと思わせて実は違うというところがだまされるポイントです。

 

実際には、

(表、表)

(表、裏)

(裏、表)

(裏、裏)

4通りです。だから確率は表2枚と裏2枚は同じで、4通りのうちの1つなのでそれぞれ1/4になります。1枚が表で1枚が裏の場合は4通りのうちの2つなので、確率は2/4つまり1/2になります。

 

私が選んだものは、甥っ子たちが選んだものより2倍出やすいのですから負けるはずありません。

 

甥っ子たちには一応最後に種明かしをして説明しましたが、小学生に理解できるはずはありません。大人でもなかなかピンとこないものです。説明されても何か腑に落ちないからこそ、だまされてしまうのです。

 

ここで大事なことは「勉強していればだまされることはない」ということです。

 

決して、「勉強すれば人をだませる」ということではないのでお気をつけて。


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