数学の問題を解くのは山登りと一緒
数学の問題を解くことは、よく山登りに例えられます。
山の頂上にたどり着くには様々なルートがありますが、結局ゴールである山頂は一つという意味で、数学の問題と同じだと言うのです。数学も一つの正解にたどり着く方法はいくつかあります。
先生によっては、一つの問題で出来るだけ多くの解法を考えなさいと指導する先生もいらっしゃいます。とても面白いと思います。
私がこういう方法もあるよとかこんな解き方もあるよと指導していると、「へぇ〜」と目を輝かせる生徒がいる一方で、「混乱するから解き方は一つにして」と訴える数学の苦手な生徒もいます。
以前、人はなぜ勉強するのか?(24)の中で、数学の得意な生徒は特に正解が一つでない教科や問題を嫌がる事が多く、そのような生徒には逆に英文の日本語訳が一つじゃないことに面白さを感じて欲しいというお話しをしました。
数学の好きな生徒は、いろいろな解法があるのに正解が一つということに面白さを感じています。
そこで英文の日本語訳の件も逆の発想をすると、「ペンを貸してください」という思いを伝えるゴールは一つでも、そのためのルート(言い回し)はいくつもあるとも言えると思います。
例えば、「ペンを貸してください」という意思を伝えるのであれば、教科書的には、”Can you lend me your pen?”(「私にあなたのペンを貸してくれませんか。」)という言い方をするでしょう。
参考書等には、「Can you 〜 ?= Will you 〜 ?= Could you 〜 ?= Would you 〜 ?= Please 〜 .」と書いてあるので、”Will you lend me
your pen?”や”Could you lend me your pen?”や”Would you lend me your pen?”や”Please lend me your
pen.”でも良いことになります。
「lend」(貸す)という動詞ではなく、「give」(与える)という動詞を使って、”Can you give me your pen?” (「私にあなたのペンを与えてくれませんか。」)という言い方もできるでしょう。
前に紹介した”Do you have a pen?” でももちろん良いですし、私なら”Do you have an extra pen?” (「あなたは余分なペンを持っていますか?」)のように extra (余分な)という言葉を使って、「あなたが使っているのとは別の私が使ってもよい、余っているペンを持っていますか」という尋ね方をします。
このように一つの言いたいことを伝えるのにいくつもの表現があることに面白さを感じることができるようになると、それは数学好きの生徒の理由に合致するので英語も好きになる可能性が高まると思います。
指導する側も解答に書いてある答えのみを正解にするようなことをせず、柔軟に対応したいものです。
そのためにも、私は日々努力を続ける必要があると思うのです。