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人はなぜ勉強するのか?(85)



    人によって異なる勉強方法  自己を冷静に分析できるか



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前回の人はなぜ勉強するのか?(84)では、復習についてお話ししました。


予習でも復習でも勉強方法は千差万別です。人によって合う、合わないもあります。先生から言われた勉強方法がすべて正しいとはかぎりません。


私は、よく生徒に他の生徒や卒業生の勉強方法を参考に教えることがあります。もちろん自分の方法も伝えます。


しかし、そういった勉強方法を強制することはありません。人それぞれのやり方があるのを知っているからです。


それでも、ある勉強方法で結果が出ないなら、自分のやり方に固執することなく謙虚に他の勉強方法を試す重要性は説きます。


場合によっては、教えた2つの勉強方法を合わせたものが、その生徒にはしっくりくる勉強方法だったということもあります。


特に暗記の方法は、人によって異なる最たるものでしょう。みなさんそれぞれ自分のスタイルを持っています。


でも、もしかしたらもっと良い方法があるかもしれません。最新の脳科学の研究では、一昔前の常識が疑われることは珍しくありません。私は、そういうことも含めて指導しています。


いづれにしても、いろいろな勉強方法を学んで『引き出し』を増やしておくことは今後の人生にとって役立つでしょう。将来、今までの勉強方法が通用しなくなった時に別の『引き出し』から引っ張り出してきた方法が使えるかもしれません。


中学や高校で勉強につまずく原因として、勉強方法が合っていなかったのに今までのやり方に固執しすぎたということがよくあります。


小学校時代はできていたのに中学校でできなくなったとか、中学で得意だった教科が高校で点数が取れなくなったというのがそれです。できていた時の勉強方法にこだわりすぎると新しい『敵』に対応できなくなるのです。


そのような時に必要なことは、「自己を冷静に分析できるか」ということです。これは、以前の人はなぜ勉強するのか?(79)人はなぜ勉強するのか?(80)でお話しした『メタ認知』です。


自分の中の客観的な『自分』が、自分を冷静に分析するのです。「この暗記方法で本当に覚えることができたのか」、「今の勉強方法で結果が出るのか」、「もっと良い方法があるかもしれない、試してみよう」


現状の自分に満足せず、自分を疑っているのです。


最近、そのことをよく感じることができた出来事に遭遇しました。次回は、そのお話です。



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