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8月, 2021の投稿を表示しています

人はなぜ勉強するのか?(35)

  Why do we study?①  Mel Blumbergさんの答え   前 へ                                              目次 へ                                         次 へ 人はなぜ勉強するのか?(28) では、学校の勉強を通して、新しい課題に挑戦する基礎を作り、先の見えない時代を生き抜く力を身につけるために勉強するのではないかというお話をしました。 世の中に出れば正解のない問題がたくさんあるというお話しもしましたが、今考えている「人はなぜ勉強するのか?」という問題はまさにそうでしょう。 誰もが納得するような答えがあれば、どれほど簡単でしょう。私がなぜ人は勉強するのかについて(35)まで書く必要はないですし、世の中の人は皆、苦もなく勉強していることでしょう。 そうではないことが、世の中に正解のない問題があることの証拠になってしまっていることは皮肉なことです。 今回は、実際に正解のない問題、「人はなぜ勉強するのか」ということを学校で学んだことを使って考えてみようと思います。 英語を使って、「人はなぜ勉強するのか」を調べてみれば、外国の人がどのように考えているのかを知ることができます。 Why do we study?(私たちはなぜ勉強するのか)と打ち込んでネット検索してみました。 すると、Mel Blumbergさんという元アメリカの大学教授の意見が出てきました。一部を紹介します。 We study so that we can learn about ourselves and others, and the world around us. (私たちは、私たち自身や他の人たち、そして身の回りの世界について学ぶために勉強します。) We could learn without studying and going to school, but if we did that, we would waste a lot of time rediscovering knowledge that is already known and written down in books or available on Wikipedia or Google. (私たちは勉強した

人はなぜ勉強するのか?(34)

  ミルクボーイのネタでザビエルを学ぶ   前 へ                                               目次 へ                                          次 へ 勉強を教える側にとって、生徒にどのように勉強に興味をもってもらうかは永遠の課題です。 「人はなぜ勉強するのか?」ということを考えたきっかけも、生徒たちになぜ勉強しなければならないかを納得して勉強に取り組んでほしかったからです。 具体的に一つ急に思いついたので、ここで紹介します。 お笑いコンビ、ミルクボーイのネタで歴史の勉強をしようという試みです。 あの「コーンフレーク」ネタのパクり、いや、オマージュです。(知らない方は検索して下さい。面白いですし、あの「間」とか「言い回し」をふまえた上でなければ、これは成立しませんので。) ボケ:いきなりですけどね。オカンがある歴史上の人物の名前を忘れたって言うんやけど。 ツッコミ:あー、そうなんや。 ボケ:でまあ色々聞くんやけどな、 全然分からへんねんな。 ツッコミ:分からへんの? いや、ほな俺がね、その歴史上の人物 ちょっと一緒に考えてあげるから、どんな特徴ゆうてたかってのを教えてみてよ。 ボケ:教科書に出てくるその歴史上の有名人は、子どもたちに必ず落書きされるらしいんよ。 ツッコミ:おー、フランシスコ=ザビエルやないかい。その特徴はもう完全にフランシスコ=ザビエルやがな。 ボケ:フランシスコ=ザビエルなぁ。 ツッコミ:すぐ分かったやん、こんなんもー。 ボケ:でもこれちょっと分からへんのやな。 ツッコミ:何が分からへんのよー。 ボケ:いや俺もフランシスコ=ザビエルと思うてんけどな。 ツッコミ:いやそうやろ? ボケ:オカンが言うには、キリスト教とは関係ないって言うねんな。 ツッコミ:あー、ほなフランシスコ=ザビエルと違うかぁ。フランシスコ=ザビエルは、イエズス会の宣教師で日本にキリスト教を広めるために日本に来たもんね。 ボケ:そやねん。 ツッコミ:宣教師は、そもそもキリスト教を世界に広めるのが役目やし。フランシスコ=ザビエルは宣教師やからキリスト教に関係ない訳ないもんね。 ボケ:そやねん、そやねん。 ツッコミ:あれほなもう一度詳しく教えてくれる? ボケ:ちょっと長い名前なんやけどみんな名前覚

人はなぜ勉強するのか?(33)

  温かい交流のために 機械を使った翻訳の話   前 へ                                               目次 へ                                          次 へ 前回の 人はなぜ勉強するのか?(32) では、台湾から日本に旅行に来たおじいさんとのエピソードから、上手な英語でなくても一生懸命交流することでお互いやお互いの国のことを知り、理解し合うことができる。そしてそれは世界の平和にも繋がっているのではないかというお話をしました。つまり私たちは「世界の平和のために勉強する」と言っても過言ではないというお話をしました。 日本に住んでいるのだから外国語なんて関係ない、英語を勉強する必要ないなんて言わないで欲しいと思います。 ずっと日本に住んで、海外に行かないから英語なんて使わないと言っていても、海外から日本にやって来る人はいます。そういう海外の人と全く関わることなく生きていくこともできるかもしれません。 しかし、一人一人が「日本人代表」という意識をもって海外の人に接して、日本に対して良いイメージを持ってもらえたら、それは素晴らしいことだと思います。 小さいことかもしれませんが、ほんの少しでも社会に貢献したように思えます。 中には、ポケトークやグーグル翻訳などの機械を使えば海外の人と意思疎通ができるのだから、英語などの外国語を勉強する必要はないと言う人もいるでしょう。 私はその意見に賛成できません。機械を使った翻訳は、血の通っていない交流ではないかと思うのです。 下手でも、間違っていても、外国語を使って頑張って意思を伝えようとしている人間に人は好感を持ちませんか? 海外の人で一生懸命日本語を話そうとしている人をテレビ等で見たことがあると思います。そういう人を「下手な日本語を話しているな」とは思わないと思います。 「日本語を勉強してくれているんだ」とか「頑張って日本語を話しているな」とか好意的な感情を持つと思います。 海外の人も同じではないでしょうか。 私たちが英語やそれ以外の外国語でも頑張って使えば、彼らも好感を持ってくれると思うのです。 それをいきなり機械なんて持ち出して、翻訳し出したら、良い印象は持たれないでしょう。相手も機械と交流している感覚になると思います。用事がすんだらおしまい

人はなぜ勉強するのか?(32)

世界平和のために  台湾のおじさんの話   前 へ                                               目次 へ                                          次 へ 前回の 人はなぜ勉強するのか?(31) では、たまたま出会う数少ない日本人が、その人の日本人に対する印象を決めてしまうかもしれないので、私は外国の人にできるだけ親切にして、日本に対する印象を良くしてもらおうと思っているというお話をしました。 今回は、その続きです。 ある年の年末のことです。家族(両親、弟の家族、私の家族、全部で10人です)で青森に旅行に行きました。 弘前城で家族がお土産屋さんを見ている間、暇をもてあましていた甥っ子と私の下の娘を外で雪遊びをさせて、私は付き添いで様子を見ていました。 そこに同じように暇をもてあまして、たたずんでいる老人がいました。明らかに暇そうで、誰でもいいから話しかけたいといった風でした。何度も何度も目が合い、その度に「話しかけてくれ」と訴えかけてくるようでした。 アジア系の顔でしたが、日本人ではないことはわかりましたので私は英語で話しかけました。 話をすると台湾から家族で旅行に来ていて、家族がお土産屋さんを見ている間、暇だから外にいたようでした。私と同じです。暇同士、いろいろな話をしました。 おじいさんの英語はお世辞にも上手とは言えませんでした。文法や単語も間違いがありましたが、一生懸命英語を話していました。何より堂々と話していたのが印象的でした。 日本人には、こういう老人は少ないだろうなと思いました。完璧に英語を話そうとするあまり、躊躇して話せない人が多いのではないでしょうか。 多少のミスがあっても、立派に意味は通じますし、会話は続きます。何を言おうとしているかは完璧にわかりました。青森で滞在した後、私たちの住む函館に行き、1月3日には夜景を見ると言っていました。 1月3日は英語では「January third」と言いますが、そのおじいさんは「January three」と言っていました。英語の問題集であれば不正解ですが、通じるか通じないかで言うと通じます。 正しい、完璧な英語を話すことは目的ではないはずです。自分の言いたいことを伝え、相手の言いたいことがわかれば良いはずです。それが目的な

人はなぜ勉強するのか?(31)

「日本人代表」として外国の人に接する   前 へ                                               目次 へ                                          次 へ   2020年8月31日にあるニュースが飛び込んできました。 サッカー日本代表の長友佑都選手がフランスのサッカーチーム、マルセイユに入団したというものです。 マルセイユと言えば、 人はなぜ勉強するのか?(6) の中で、花火大会の日に話しかけてきたフランス人スポーツジャーナリストの住む町です。日本代表の酒井宏樹選手が所属していることで、そのフランス人との話が広がりました。 そのエピソードから、学校で学ぶ内容だけではなく、自分で興味を持ったことを調べたり、学んだりしていくとどこかで役に立つかもしれないというお話をしました。 私にとって、マルセイユは南フランスの町という知識だけではなく、日本代表の酒井宏樹選手、長友佑都選手という二人のサッカー選手が所属しているチームのある町という情報が新たに追加されました。 また、いつかマルセイユの人と話す機会があれば、その話で盛り上がれるなと思います。 二人とも大変立派な選手で、きっとマルセイユの人々の中でも良い印象を持つ人が多いことでしょう。そうであれば、こちらも自信を持って二人の話をすることができます。 二人は、サッカーの日本代表であるだけでなく、「日本人代表」として海外の人と接しているのです。 彼らは、ハードワークできるし、チームにうまくフィットして勝利に貢献できる選手です。サッカーを通して日本人の「勤勉さ」や「協調性」を伝えることができる選手です。 同じ日本人として、大変誇りに思います。これからも頑張ってほしいと思います。 私は、アメリカに留学している間にたくさんのアメリカ人に親切にしてもらいました。 高速道路上で車が壊れた時に電話を貸してくれた家の人、クリスマスになると食事に誘ってくれた留学生の面倒をよく見てくださった老夫婦、友だちやルームメイトにも恵まれましたし、教授や講師の先生にも大変よくして頂きました。 そこで感じたことは、私たちが生きている間にたくさんの人に出会うわけですが、その人が親切にしてくれたら当然印象が良くなるということです。そしてその印象というのは、その国やその人種の印象